「わたしは、ダニエル・ブレイク」感想

3.2/5.0点

 

ケン・ローチ監督の作品は初めてだったが、これほどまでに実存に即した映画を撮るとは、正直衝撃的だ。

 

・見るに耐えないシーンが多く、途中で断念しようと思ったほど、リアリズムが追求されている。フードバンクでトマト缶(?)を開けてながらフラフラとするシーンや、求職活動の証拠が無いと手当を止められ、無言で立ち去るシーン等、思わず目を背けたくなるような瞬間が多くあった。

 

・役所という機関が比較的冷ややかに描かれているが、別に仕事はちゃんとしていたと思うし、非難されるほどか?という印象ではあった。少なくとも問題なのは構造で、人間ではない。しかし、ああゆう生活の中で、人間に怒りや憎しみが向いてしまうのは悲しい。構造に攻撃は出来ないから。まあだからこそ、ダニエル・ブレイクはスプレーで怒りを表明したわけだが。

 

・意外と人は優しい。ケン・ローチは意外と人好きなのでは?

 

チャーリー・アダムが好きという返答に爆笑するシーンは良かった。当時はストーク・シティ所属だったと思うが、俺でも爆笑すると思う。